富田芳和(美術ジャーナリスト)2018年6月21日2 分フジタは「日本の画家」ではない!? 最近、藤田のコレクションを多数所蔵する美術館を訪れて、学芸員の方とお話をしていて驚いたことがあります。その美術館では、藤田は日本の近代美術の画家ではなく、ジャンルとして西洋美術史の画家としてくくられていました。 一つの説明としては、1920年代のヨーロッパで高い評価を受けた...
富田芳和(美術ジャーナリスト)2018年6月16日2 分「これほどみじめで恥ずかしい話はない」 1968年1月29日、まだ厳しい寒さの続くスイス・チューリヒの病院で、藤田嗣治はひっそりと息を引き取とりました。 同じ年、日本浪漫派の批評家・保田與重郎は、『日本の美術史』(新学社「保田與重郎文庫」で復刊)を上梓しました。同書は、上代から現代へと至る日本美術の大きな流れをた...